- wwineoclock
- 2023年8月30日
- 読了時間: 3分
クシノマヴロの主要産地PDOナウサの魅力
皆さんが頭に描くギリシャの風景はきっと青い空に真っ白な建物、そして透き通る青い海が広がるイメージではないでしょうか?そして、ギリシャ神話の神々の彫刻や様々な遺跡たち。私が今まで思い描いていたギリシャもまさに海のイメージが強かった。
今回、訪れたナウサは今までのイメージを一掃する場所だった。
ナウサはギリシャ北部に位置し、ワイン造りの歴史は16世紀頃からと言われている。
トルコからの侵略や、フィロキセラの被害、2度の世界大戦等の様々な困難を乗り越えて
ブドウ畑が復興したのは1970以降になってからだ。
昔からこのナウサの主要産物であるワインの輸出により繁栄してきた。
自然豊かで緑にあふれたナウサの町は標高150~200mの山間の場所に位置する。町は山の中腹にあり、こじんまりとしているが人々が集う広場や見晴らしの良い公園がある綺麗な町だ。
町から少し離れたところには自然あふれる公園があり、地元の人たちで賑わっている。
山からの雪解け水がながれる川はヒンヤリとしていて暑さを一瞬忘れさせてくれる。

見晴らしの良いレストランのテラス席。

山の中腹にあるナウサの街をイメージしやすい景色

郊外にある自然公園。雪解け水の川は氷水のように冷たい
ここナウサには現在22のワイナリーが存在する。そのほとんどが家族経営の小さなブティックワイナリー。
それぞれに個性を持ち、バラエティーに富んだワインを生産している。
暑く乾燥した土地では灌漑設備が必要で、ここナウサでもブドウ畑は綺麗に整備されており、灌漑設備も施されている所が多かった。
特に今年2023年はギリシャも連日猛暑でナウサでも例年の7月の平均気温32度を上回る39度に迫る天気が連日続いた。
5月から6月には雨も多く、多くの生産者は今年のブドウの生育状態は予想するのが難しいと話していた。
ナウサでPDOに認められるのはクシノマヴロ100%で作られる赤ワイン。
クシノマヴロから造られるワインは一言でいうとエレガント。
酸とタンニンがしっかりある分、長期熟成向きのブドウなので香りも華やかで複雑になる。
繊細かつしっかりとしたタンニンは樽で熟成させることにより、更にしなやかな
タンニンとなり心地よい余韻の中に広がる。
新樽よりも何度か使用した旧樽を使うことにより、クシノマヴロの華やかな香りを引き出し、繊細で複雑な香りと味わいを生み出す。
近年のワイン醸造のスタイルはモダンスタイルのワインを生産する所も多くなっている。
やはり、長期熟成タイプだけでは将来マーケットを広げる為には難しいということなのであろう。
若いうちからクシノマヴロで作られるワインを飲むためには酸味やタンニンの強さをコントロールする必要がある。
クシノマヴロのタンニンを和らげるためにメルローなどの国際品種をブレンドしたりする事もあるが、やはりPDOナウサを名乗るには100%クシノマヴロでなくてはいけない。
生産者は各々試行錯誤しながら、新しいスタイルのワインを模索しているように感じた。
クシノマヴロを栽培する畑の標高を低くし、酸が高くならないままブドウを成熟させ収穫したり、醸造においてもスキンコンタクトの時間を短くしたりと様々な取り組みをしている。

山間の地形に広がるブドウ畑。緑豊かなナウサの景色。

きれいに整えられたブドウ畑

こんな急斜面の畑もある

まだ色づく前の7月のクシノマヴロ
今回、初めてナウサの土地を訪れて感じたことは、また訪れたいと思わせる魅力あふれる場所だということ。
豊かな自然と優しい人々、美味しい料理とワインのあるナウサは一言では語りつくせない程のすばらしい場所だ。
今回のワイン研修はギリシャのすばらしさを再確認すると共に、新たな魅力の発見があり、私のワイン人生にとって大きな経験となったことは確かだ。
次回はナウサの人々や文化についても話をしようと思う。